私は１０年前に転職活動中に、ハローワークから１社から紹介を受けます。中小企業で、基本給は安いが休日は年間１２５日あるというのです。私は、前職で過労死寸前まで働かされていたので、次の働き口では、とにかく体を休ませたくて給与以上に休みが多い職を望んでいたのです。勧めまれた企業は、勤務時間も午前９時から午後５時までの拘束時間が８時間で、年間休日が１２５日もあるだけに、もちろん週休２日です。研修期間が３ケ月あるので、それで就職するかどうか判断しようと考えてましたが、私の中では条件が合致していたので、その企業にお世話になろうとほとんど決めていたのです。書類選考もすぐに通り、面接でもすぐにでも働いて欲しいと社長自らが仰ってくれたので、面接後すぐから働き出したのです。物流関係の企業で商品の入荷・出荷作業が主な仕事です。研修期間では、特に問題なく、研修期間後も正社員としての契約に至ったのです。それが悪夢の始まります。社長との面談で、「繁忙期は忙しいので、その時だけは週休２日でないが、他の月に代休が取れるので安心して欲しい」と言われてのです。それが後になり、全くの嘘八百だと気付くのです。まず、私が入社した時期が繁忙期に入る直前だったので、日に日に忙しくなっていくのです。午前９時の出勤時間が午前８時に早まり、退勤時間も午後７時まで延長されることになります。まだ入社して間もないので、覚えることも多いのでしかたないと考えていたのです。それが、１ケ月もして繁忙期になると、午前６時出勤の午後１１時退勤になってきます。これはおかしいと思い、社長に申し出ると、「申し訳ない。人手不足なので助けて欲しい。今だけなのでなんとか頑張って欲しい」と懇願されたのです。繁忙期は忙しいと聞いていたので、ここはしかたないかなと了承したのです。
それでも、この企業はおかしいと感じたのが、正式に正社員として入社して初めての給与明細を確認した時に、あれだけ残業していたのに残業代が少な過ぎるのです。これについても社長に確認を取ると、「その分は、ボーナスでカバーするから今は我慢して欲しい」と言うのです。完全はこれはおかしいと思ったのですが、働きだして半年も経ってなかったので、さすがにすぐに辞めることが出来ず、もう少し様子を見ることにしたのです。すると、とんでもない実態が明らかになります。ハローワークでの企業案内では、従業員の数が５０名と記載されていたのですが、実際には１０名しかいないのです。しかも、その半分はパートの女性であり、実質、肉体労働に関わる作業は５名の男性社員で全てこなす必要があるのです。客観的に考えて、その日の仕事を１０名で終わらせるのは不可能です。しかし、仕事はいくらでもあります。私と同じように研修期間を働いていた同僚は辞めていきます。その後に入社してきた従業員もすぐに辞めていきます。毎月、毎月、数名が入社しては、同時に数名が辞めていく会社だったのです。これが大企業ならありえますが、この規模の中小企業、ここまで来ると零細企業と言えるかもしれないですが、どう考えても受けた仕事を納期までに完了するには、残業をしないといけないのと、休日出勤が必要なのです。私を含め社員一同は、繁忙期の９０日間を無休で働き、忙しいと午前５時出勤の午前１時退勤という状態です。自宅に帰ると寝過ごすので、会社のソファーで寝る日々です。どんなに長くでも睡眠時間が４時間です。これで、２トントラックの運転もしてましたから、事故を起こさなくて良かったです。私は無事故ですが、辞めた社員の中には死亡事故を起こした者もいますし、作業中に事故死した者もいます。
業界での評判は悪かったのですが、その業界に精通してない私のような人間は、ハローワークの求人を見ては入社してくるシステムになっているのです。残業代が少なかった件は、ボーナスで補填してくれるという約束も、ボーナスの時になると、「業績が悪く、赤字なので今すぐ支払えない。少し待って欲しい」と言われる始末です。ボーナス無しです。このような会社ですから、私が在籍した５年間で３０名もの社員が辞めています。小さな会社ですから、この数はとてつもなく多いです。研修期間中の人間もいれると６０名にはなります。私が５年間働けたのは、信頼できる先輩社員がいたからです。その先輩社員が辞めてからは、私も何の恩義もなくなったので、すぐに退職届を出したのです。社長からは慰留されましたが、社長の口約束ほど信用は出来ないです。こういう中小企業では、口約束をしてきますから、しっかりと契約を結んで働くことをオススメします。また、ハローワークの求人であっても、辞めた社員が告発でもしない限り求人内容はそのままですから、全ての情報を信用することは不可能です。独身であれば、おかしいことがあればすぐに辞められますが、既婚者で子供がいる方は、そう簡単に辞められないです。その弱みを握られますから、面接時には少し疑ってるぐらいがちょうど良いです。私が勤めたこのブラック企業は、赤字だから大変だと言う割には、社長の車・自宅・マンションが全て高額であり、赤字企業の社長が持てるような品物ではなかったです。
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