39度台の高熱でも出勤させる会社。

過労死・ブラック企業多事総論

過労死・ブラック企業の口コミ・経験談・アドバイス0013それは、主にコールセンターを請け負っている会社でした。
ハローワークや一般の求人サイトでよく募集をしている会社でした。きちんとした求人の印象でしたので、その時はハローワークに通っていたこともあり、紹介状をもらった上で応募しました。面接の翌日、すぐに電話があり、私の経歴をきちんと考慮した上での月給の提示があり、少しでも早く仕事に就きたかったことと、この地方都市ではまあまあの条件だったこともあり、お受けしたという流れです。経歴をちゃんと評価してくれたことも、決断の大きな要因のひとつになりました。たぶんまともな会社なのだろうという期待でいっぱいでした。
実際に入ると、いくつかの所属グループに分かれており、そのひとつのあるカスタマーセンターに配属となり、研修が始まりました。座学の研修から、現場へ移動してOJTを受け、デビューという流れでした。
ブラック企業を思わせるひとつは、全員基本給を低く設定し、他は手当という名目で上乗せしているところです。
私が提示された月給は、基本給にかなりプラスアルファがありましたが、まわりを見渡すと、その最低限の基本給のみの人が多かったようです。まだ若かったり、経験が伴わなかったりということで、それは当然と言えば当然のことでしたので、あまり気にしなかったのですが、実は長時間労働が当たり前のシフト構成で、毎月何時間を超えた分は残業代になるという職場でしたので、基本給を下げることにより、残業代も安く抑えられたのでしょう。残業代に限ったことではありませんが。
社会人経験のない、初めて就職したという10代のスタッフもいました。あまり社会の仕組みにまだ精通していない人たちには、基本給を低く抑えることについて、何か疑問を感じたり、それがデメリットを生じさせているというような発想は最初からありませんので、会社側は体よく設定していたとしか思えません。半分のお給料で倍働かせる、そんなイメージでしょうか。
長時間労働、そして、どんなに高熱でも出勤させるやり方には本当に驚きました。
そのコールセンターの稼働時間は、9時~21時でした。通常その時間帯ですと、一般的には早番が9時~18時、遅番が12時~21時、あとはその中に中番で10時~19時等というシフトになりますが、そこは、ほぼ毎日9時~21時の通しのシフト。その通しのシフトが6日間連続だった男性もいました。それは日常茶飯事のことでした。
9時からとは言っても、8時45分から朝礼があります。そして、21時で電話が終わった後、21時半頃から終礼がありました。終礼が始まるまでの間に必ず日報を書いて提出が必要でした。もちろん21時以降のその作業には残業代はつきません。
大変驚いたのが、どんなに高熱があっても、「まずは出勤してください。仕事ができない状態かどうかは上司が判断します。」ということでした。通勤時間をかけて、隣の市から通っているスタッフがいましたが、彼女は39度台の熱があるにもかかわらず、仕事中に具合が悪くなってトイレに駆け込みながらも連続の通し勤務を続け、翌週には恐ろしいことに、「やはり9度台はきついけれど、8度台になると楽ね。」と言いながら仕事をしていたのです。また、月のほとんどが21時までの勤務だったため、1日でも19時までのシフトが入っていると、とても早く帰れるという気持ちになっていました。上司の言うことは絶対であり、朝礼、終礼でも上司が何かを言うと全員で「はい!」と返事をしなければいけない、マインドコントロールのような怖さを感じる環境でした。
そんな職場ですから、入ってみて皆、そのひどい環境に驚き、もちろんすぐに退職を希望します。しかし退職を申し出ると、今度は辞めさせないという次の試練が待っていました。最初の契約書に、退職は退職日の1か月以上前に申し出ることとあり、それに自分でサインをしていますので、そのことは仕方がないと思います。法律上。2週間前で問題ないはずですが、契約を交わしたのは自分ですから、それは自分が了承した責任でもあります。そして、私の場合は、何とか会社も納得させることができる理由を見つけて、一身上の都合で1ヵ月後に退職できました。研修などを経て、概要が見えるまでに少し時間がかかりましたので、2月に入社して、4月末日まで在籍していました。本当に苦しい3か月間でした。
とにかく辞めたいと言っても辞めさせないことで、結局スタッフの大半は翌日から突然来なくなるというパターンを選択するしかなく、何も疑問を感じない会社のやり方に憤りを感じていました。
求人情報だけでブラック企業かどうか判断するのは、大変難しいことです。確信犯である企業はもちろん違反のないよう求人広告を出しますし、法律上でもギリギリのラインでうまく稼働させていると思います。また、ブラックな内容であることを認識していない企業もあるかもしれません。それはそれで悪質です。
なかなか見分けることはできませんが、条件面からまずは注意して見ることかと考えます。基本給をやたらと低く抑えていることや、勤務時間帯、休日数など、よく見ている求人と、ここは何か違うなと感じたら、危ないサインかもしれません。また、入社してから気が付いた場合は、まずは自分自身が疲弊しないよう気をつけてほしいです。ただ、自分の今後のために、できればきちんとした段階を踏んで退職に至るという少しの我慢は必要かと思います。
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